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リアルタイム動画生成AITuberを配信して分かったこと

リアルタイム動画生成AITuberを配信して分かったこと

目次

こんにちは、ニケです。

今週、リアルタイム動画生成を使ったAIニケちゃんの配信を、YouTubeで4回行いました。
視聴者のコメントから返答と動作を考え、音声と一緒に動画生成APIへ送ることで、映像の中のニケちゃんが話し、動く仕組みです。
システムの構成は、以下の記事にまとめています。

コメントに応じて動くAITuberを作りました
H3 Max Directorを使い、コメントに応じて話し、動くAITuberを作りました。映像を生成しながら指示を追加できるAPIの仕組みと、コメント・返答AI・音声合成をつなぐシステム構成を紹介します。
nikechan.com

コメントによって映像が変わる体験には未来を感じています。
一方、実際に4回やってみて気になったのが、映像の品質を保つ難しさと、同じ内容で配信を続ける難しさです。

今回は、動画生成の体験や運用上の課題を振り返り、最後にYouTubeでの反応と今後についても触れます。

視聴者コメントがそのまま映像に反映される新体験

使ったのは、falで提供されているH3 Max Directorです。
映像を継続的に生成しながら、途中で新しい指示を送れるAPIで、これをコメントへの応答と組み合わせました。

面白かったのは、やはりコメントの内容が映像に現れることそのものです。
例えば、視聴者が「サンタ帽あげるね」とコメントすると、実際にニケちゃんがサンタ帽を被りました。
コメントで贈ったものが、キャラクターの見た目に反映されるわけですね。

スパチャの新しい形すぎる

視聴者の皆んなも、作っている私も、次に何が起こるか分からない。
いろいろな人のコメントで場面が予想外の方向へ進み、ときにはカオスになるところが、今回の配信の面白さだったと思います。

大きく場面を変えると、発話と映像がずれることがあった

一方で、場面ががらっと変わるような指示には、映像が十分についてこないことがありました。
コメントと返答は新しい場面を想定しているのに、映像のほうは変わっていない。
その結果、話していることと画面で起きていることが、ちぐはぐになる場面がありました。

これはモデルの特性かもしれませんし、私のプロンプトの作り方にも原因があったかもしれません。
今回の配信だけでは切り分けられていませんが、コメントに応じて自由に場面を変える使い方では、気になる点でした。

長く続けるほど、最初のニケちゃんから離れていく

もう一つ苦労したのが、キャラクターの見た目の維持です。
特に、キャラクターがフレームから外れて戻ってきたときや、動画生成が途切れたときには、見た目が変わってしまうことがありました。

生成を続けている間にも、最初に渡したイラストから徐々に顔立ちや画風が変わっていきます。
平成アニメを思わせる顔になったり、某中国ゲームを思わせる顔になったりと、最後には最初の画像とはかなり違うニケちゃんになっていました。

生成を続けるうちに髪型や顔立ちが変化し、学校の廊下に立つニケちゃんの配信画面。
お前は誰だ

プロンプトには、髪や顔、衣装などの外見も詳しく入れていますが、動作や場面に関する指示も多く、外見を指定しておけば保てる、というものではありませんでした。
指示を増やすほど追従が難しくなっているようにも感じましたが、プロンプト量との因果関係を検証したわけではありません。

終点の画像を指定するエンドフレームの機能もありますが、今回は使いませんでした。
自由なコメントによって場面が次々と変わるため、その先の場面に合う画像をあらかじめ用意するのが難しかったからです。

また、すべてのセッションで、長く続けると画面全体が暗く、よどんでいく印象がありました。
これも原因は分かっていません。

そこで私の配信では、見た目や画面の状態が気になったら、完全に新しいセッションからやり直すことにしていました。
途中で区切るこの運用には、かなり助けられたと思います。

RPGにすると、別の難しさがあった

映像の品質に加えて、どんな遊び方がこの仕組みに合うのかも試してみました。
第1・2・4回は初期画面を変えてみた程度で、基本はコメントに応じて展開が変わるフリートーク、第3回だけはRPGをテーマにして、「お金を稼ぐ」「装備を揃える」「モンスターを倒す」と、段階的に目標を変える配信を試しました。

お金を稼ぐところは、視聴者がいろいろなコメントをしてくれて、比較的うまくいった部分です。
ただ、全体を振り返ると、テンポはあまり良くなかったと思います。

目標達成を支える裏側の処理を十分に作らず、進行をコメントに依存させてしまったのが一つの理由です。
コメントが必ずしも目標に向かうわけではないので、思っていた方向に進まず、つまずくことが多くなりました。

鎧を着たAIニケちゃんと巨大なウニのモンスターが映るRPG配信画面。
ずっと睨み合いを続けているAIニケちゃんと巨ウニモンスター

もう一つ、目標を決めたことで、今回の動画生成の面白さを少し弱めてしまったとも感じています。
私が面白いと思っていたのは、いろいろなコメントによって、誰も予想していなかった方向へ映像が進むところです。
RPGのように目標を決めすぎて先のゴールが見えてしまうと、その良さが薄れてしまいました。

簡単な目的はあってもよいのかもしれません。
ただ、今回の手応えでは、企画を考えることと、展開を決めすぎないことの両立が必要だと思いました。

これからは同じ配信を続けるのは厳しい

今回の配信にかかった動画生成APIの費用は、ほとんどがスポンサーの方々のサポートによって賄われています。
費用のかかるリアルタイム動画生成を、実際の配信で繰り返し試せたのはこの支援があってこそです。
改めて、本当にありがとうございました。

クレジットはまだ残っていますが、キャンペーンが終わると、同じペースで使い続けるのは難しくなります。

falの公式案内では、2026年9月14日から、動画生成の秒単価がキャンペーン価格の0.02ドルから通常価格の0.08ドルに戻ります。
4倍になる計算です。

料金の見方キャンペーン中通常価格
APIの動画生成1秒あたり0.02ドル0.08ドル
動画生成1分の単純換算1.20ドル4.80ドル

配信中には生成を止めている時間もあり、キャンペーン中の実費は大体1配信50ドルくらいでした。
通常価格で同じだけ生成すると費用は約4倍になるため、このまま同じような配信を続けるのは厳しいです。

YouTubeでは、これまでの配信より多くの人に見てもらえた

ここまでは、リアルタイム動画生成を使って感じたことを書いてきました。
最後に、YouTubeチャンネルとしての結果も振り返ります。

YouTubeを本格的に始めたのは最近で、それまでは2〜3週間ほど、週2〜3回の頻度でAIキャラクター関連のニュースを紹介していました。
ニュース配信は1回30〜40分ほどで、同時接続数は10人前後、視聴回数は200〜300回程度。
もともとのフォロワーの方が見てくれている感覚で、登録者もほとんど増えていませんでした。

今回の動画生成AITuberは各回50分〜1時間ほどで、結果は次の通りです。

配信内容視聴回数同時接続数の目安登録者の増加
第1回フリートーク約4,700回約30人約140人
第2回フリートーク約3,500回100人超約110人
第3回RPGをテーマにした配信約1,400回60〜70人程度約30人
第4回フリートーク集計途中。1,000回超を見込む60〜70人程度約10人

数字は2026年9月13日の振り返り時点で把握している概数です。
同時接続数も配信を振り返っての目安で、最大同接などの条件を統一した集計ではありません。
各回で公開からの経過時間も違うため、特に第4回の視聴回数は、集計途中の見込みとして載せています。

登録者の増加は、4回を合わせて約290人でした。
私のチャンネルとしては、かなりバズった部類に入ると思います。

総再生時間も、以前は回によって5〜20時間程度だったのが、今回は1回あたり平均して約80時間になりました。
今回のほうが配信時間も長いため、単純に同じ条件で4倍以上になったとは言えませんが、多くの人に見てもらえた実感はあります。

一方、回を追うごとに小さくなったのが、視聴回数と新しい登録者の増加です。
物珍しいとは言えど、流石に同じような内容の配信をしていると新規の登録者は増えません。

ただ、視聴回数は減っても後半の動画では総再生時間は同程度だったので、最初は物珍しさで人が集まり、3、4回目には長く見てくれる人が残ったのでは、と感じています。
視聴者の定着を分析して確認したわけではありませんが、同接も後半は60〜70人程度で、以前の配信より多い状態でした。

次は、AIキャラクター開発者として新しいものを試していく

こうした結果を見て、費用の問題がなかったとしても、今回と同じ内容をずっと続けるのは難しかったと思います。
新しく登録してくれる人の増え方が落ち着いてきて、このままでは、いずれ見てくれる人も減っていくのではと感じていました。
もちろん4回だけで今後の推移を断定することはできませんが、同じことを繰り返すだけでは厳しい、というのが私の手応えです。

今回、入口になったのはリアルタイム動画生成という新しさでした。
それ自体はすごい技術ですが、サービスの面白さに支えられている部分が大きく、自分ならではの企画で見てもらえていたかというと、まだ足りなかったと思います。
同じ技術を使った別の配信が現れれば、そちらに興味が移るかもしれません。

次も見たいと思ってもらうために、毎回の内容を考える必要がある。
その点では、ほかのYouTubeやVTuberの配信と、やるべきことは同じなのだと感じています。

今後も、これまでのAIキャラクターに関する配信は続けるつもりです。
今回のように新しく現れた機能やツール、サービスをAIキャラクターと組み合わせて、紹介したり、実際に試したりしていきたいと思っています。
AIキャラクター開発者の目線で、何ができて、使うとどうなるのかを見せる取り組みです。

今回チャンネルを知ってくれた方の中には、リアルタイム動画生成を期待している方もいるでしょう。
そういう方にも、ほかの取り組みを見たいと思ってもらえるように、次の内容を考えていきます。

配信を見てくださった方、コメントで予想外の展開を作ってくださった方、そして試す機会を支えてくださったスポンサーの方々、ありがとうございました。

関連リンク

システムの仕組みは、コメントに応じて話し、動くAITuberを作りましたで紹介しています。

AIツールやAIキャラクターについて、Xでも発信しています。

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